癌宣告当日
癌を宣告されてから、大学病院の駐車場で少しぼーっとしていた。
あ、家族に報告しないと。
その日の朝、大学病院から癌の検査結果が良くなかったと連絡があったことは伝えてあった。
そこでLINEで結果、癌だったと送る。
しかし、まさかほんとうに癌になるとは思ってないはず。
病院代どうなるのか、生活していけるのか、声は残るのか、
色んな事がぐるぐる駆け巡る。
そうだ、お母さんに電話しよう。
そして広島の実家の母に電話をする。母はいつも通りに明るく出てくれる。
「元気?」と言われるが、「元気だよ」のいつも通りの返事は出来ない。
「お母さん、私ずっと喉が痛いって言ってたじゃん、あれ、癌だったみたい」
「え!?え!?大分前から言ってた喉!?癌!?うそ!?」
「うん、ほんとみたい、ほぼ確定らしい」
「えー!どうしたらいいん!でもほぼってことはそうじゃ無いって事もあるかもしれんよね」
「うん、、でもそんな雰囲気じゃなかった。」
母も驚いていたが伝えている私自身もこれは現実なのかという思いばかりで半分夢の中にいるようだった。
「私もこれからどうなるのかわからんけどとりあえず紹介先の病院に行くね」
そう言って電話を切った。母に話して少し自分を取り戻せた気がした。さて、家に戻ろう。
事前にLINEで報告はしていたが、
家に着いてから子守してくれている旦那さんに報告する。
重くない話にしたい。
私「癌だったみたい。ガーン!」
旦那さん「シャレにならん」
やっぱそうだよね。私だって信じられんもん。子供が無邪気に笑っている顔を見ると涙があふれそう。申し訳なさすぎる。
はぁ。どうしよう。
しかしため息をついている場合ではない。早く紹介先の病院へ行かなければならない。
そんな思いですぐに国立がんセンターに電話した。すぐに予約はとれず、予約が取れたのは2日後だった。
その病院までの2日間が長い。
嫌な予感ばかりが頭をよぎる。
息子は歌がとっても好きで歌ってあげるとよく笑ってくれる。それが、もしこの先声が出なくなってしまったらどうしよう。もう一緒にお話しも出来なかったら…転移していたら…考え出したらキリが無い。
それからキリがない2日間を過ごした。
☆ブログランキング参加しております。
執筆の励みになりますのでよろしければワンクリックお願いします。